Hank Mobley Quintetの愉快
大好きなテナー奏者の一人、Hank Mobleyのオリジナル作で固めたアルバム「Hank Mobley Quintet」(Blue Note 1550)である。1957年3月8日の録音で、オリジナル盤は中古市場で高く取引されていたらしいが、東芝EMIから2000年1月にCDで発売された。
あまり「名盤」として有名ではないのかも知れないが、楽しいアルバムだ。メンバーも、Art Farmer(tp)、Horace Silver(p)、Doug Watkins(b)、Art Blakey(ds)とご機嫌なメンバーで、「ジャズ・メッセンジャーズ」をめぐって、SilverとBlakeyが仲たがいしたとかいった基礎知識(?)抜きで聴きたいもの。
Hank Mobley(1930-86)は、John Coltraneの後がまとして、Miles Davisのグループに加わったが、グループに定着しなかったことで知られる。個人的には、Miles Davisがあまり好きではないのでどうでも良いのだけれど、このことでMobleyが、超メジャーではなく、「ちょっとマイナー」な位置にいることには納得できない。まあ、メジャーよりマイナー好みのへそ曲がりにはぴったりだし、あまりにマイナー過ぎてCDを探すのも一苦労といった御仁よりは、手ごろな「マイナー感」といったところか。
1曲目は、Funk In Deep Freezeで、Mobleyの泥臭い音色とSilverの乾いたピアノ・ソロが訴えかけてくる。次のWham And They're Offでは、Farmerのトランペットが聴き物。3曲目のFin De L'affaire(情事の終わり)は、冒頭からMobleyの重いサックスが心に響くバラードだ。美しく悲しい、たまらないものがある。4、5曲目は一転して、元気にガンガン。トランペット、サックス、ドラム、ベースと一丸となって突き進む。
1950年代後半の、きっとジャズが一番輝いていた時代の空気を感じさせる作品が好きで、CDで再発売されれば、とりあえず買って聴いている。生まれてもいないし、ジャズを聴き始めてまだ10年なので、当然といえば当然だが、そんな時代にニューヨークに居たかったものである。94年に仕事で出張したときに、Village Vanguardに行って感激はしたものの、当時の熱気をそうそう感じられるわけでもない。
