2004年1月24日

山中千尋『When October Goes』

 山中千尋のセカンド・アルバムである。2002年秋に発売され、大手CDショップではヒット・チャート入り、今でも売れ続けているというのだから、大ヒット作である。私が初めて手に取ったのもこの作品だった。一作目とはうって変わって、ジャケットは、レンガの倉庫(?)を背に、ジーンズ姿の本人が立っている。何といっても、きれいでかわいいのである。
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 内容も、充実している。オリジナルの作品と合わせて、バラエティに富んだ選曲で、Chihiro Worldを満喫できる。デビュー・アルバムより「リキ」の入ったドラム、Jeff Ballardが更に、魅力を引き立てている。

 冒頭の「Taxi」。ニューヨークのタクシーはどんなものだろうか? と改めて、乗ってブルックリンへの高速を走らせてみたくなる。2曲目の「Just In Time」は、CDの録音のセッションがおわってからレコーディングしたためか、とても楽しそうに聞こえる。ベースのうねったことが心地よい。4曲目は、八木節で、山中の故郷の民謡だ。日本でのライブでも最後を飾ることの多い名作である。なんだか元気が出てくる。個人的なことだが、小学校でなぜか八木節を体育会で集団演技したことがあって、最初に聞いた時は、思わず手と足が動きそうになった。そして、本来の八木節にあるフレーズが、ピアノによって変形され、強弱、前後が組み替えられる様を理屈ではなく、体感として感じることの出来る作品で、たいそう感動した。
 5曲目の「Plum The Cow」は、山中の友人の持っている牛の名前だそうだが、かわいい牛も山中の目を通るとこのような「ウキウキ」リズムになるのだろうか。6曲目「Ballad For Their Footsteps/ Three Views of a Secret」の冒頭を聞いて、「はじめ人間ギャートルズ」のテレビアニメでのエンディングテーマでびっくり。園山俊二の傑作である。この曲が、かまやつひろしの作品であることも初めて知った。山中の世代がわかるというもの。7曲目はG. Gershwin(1898-1937)の「I Got Rhythm」で、数々のジャズメンたち演奏し続けてきた名曲をアレンジし、楽しそうな演奏する山中の姿が目に映るようだ。
 CDを愛聴する一方で、山中のコンサートを聴いていた分かったのだが、CDに録音するための演奏と、ライブでの演奏に違いがある。一言で言えば、「音の数」である。ライブでは音を「これでもか!」とばかりに、音をつむぎ出す。力強く、聴くものの耳だけでなく、眼や身体に響いてくる。一方、CDでの録音は音の余韻をも感じさせる「作品」になっている。大阪でのDVD収録時、テンポが速くなりすぎてしまし、途中で演奏し直したことがあった。本人は聴衆を前にするとテンポが速くなってしまう、と話していたが、DVDという録音とライブの狭間で、本人の「リズム」が狂ったのであろう。
 今春には3作目のCDが発売予定という。楽しみである。

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