檜垣立哉『ドゥルーズ 解けない問いを生きる』を読んだ
檜垣立哉『ドゥルーズ 解けない問いを生きる』(2002、NHK出版)を読んだ。「シリーズ・哲学のエッセンス」の一冊だ。

ドゥルーズが、ベルクソンの「生の哲学」をまっとうに引き継いだ哲学者として描かれている入門書で、かなり分かりやすい。議論の中心は、『差異と反復』(1992、河出書房新社)や『意味の論理学』(1987、法政大学出版局)や、ガタリとの共著も交えて、簡潔だ。
最初に投げ掛けられる問題意識は、「二十世紀後半になって、事態ははっきりと動いている。そこでは、問いが解けないという焦燥感よりも、解けないからこそ、そこで新たに何ができるのかを模索するという前向きの賭けがなされているようにみえる」(p.18)である。そこで、「情報」と「生命」というキーワードを提示して、ドゥルーズの世界に入っていく。
一歩間違えると、ニューサイエンスかファシズムになってしまいそうなドゥルーズで、「個体」と「倫理」の議論など、軽薄な議論まであと一歩で踏みとどまっている。
続きの過激な議論は、スラヴォイ・ジジェック『身体なき器官』(2004、河出書房新社)に期待しよう。
