2006年3月 4日

オランダのピアノ・トリオをライブ盤で堪能

 ライブ録音が好きである。小さなジャズ・クラブであればなおのこと。その臨場感で、音楽だけでなく、お酒もうまい。で、聴いているのがオランダのPeter Beets Trio『Live At The Concertgebouw Vol.I & II』(Maxanter Records)。ラジオで放送された音源のようだ。
PeterBeetsConcertgebouw.jpg
 ただジャズ・クラブではなく、大きなホールでの録音である。拍手がホールに響く感じはクラシックコンサート。2枚組。まさか演奏順ではないだろうけれど、Vol.IIの方がノッている。出だしは静かに、徐々にノッてくるタイプの演奏で、試聴器では不安だったが、大満足。

 決して「新機軸!」、「斬新!」ではないけれど、心地よく楽しめるピアノだ。ウイスキーよりワインが似合うだろうか。フレーズをたどるだけで楽しい。

 録音は2005年4月16日で、会場はアムステルダムのConcertgebouw。クラシックからオペラ、ワールド・ミュージック、ジャズ等々まで、幅広いジャンルの演奏会が開かれているようだ。建物もいかにもヨーロッパのコンサートホールである。

 リーダーのPeter Beets(p)は1971年、ハーグ生まれ。音楽に囲まれた家庭環境で、6歳からピアノを始めたという。メンバーは、他にFrans van Geest(b)、Gils Dijkhuizen(ds)。

 収録されているのは以下の通り。
Vol. I
1、Degage
2、It Has Happend
3、The Judge
4、Tristity
5、I've Got My Love To Keep Me Warm
6、It's Happening

Vol. II
1、For Simon
2、Prelude In E Minor
3、Is It Wrong To Be Right
4、Without A Song
5、Passport

 ほとんどが、Peter Beetsのオリジナル。

Vol. I

1、静かに低音が印象的にスタートする。2、優美に始まる。ピアノの響きが胸に伝わってくる。3、ピアノの高音が印象的。2分30秒あたりからが聴きもの。身体が自然に動き出す。これでもかと、音を紡ぎ出す。拍手もいい。三者の掛け合いも大人である。4ではゆっくりと夜の寂しさを示す。終わった余韻に拍手が重なる。
 で、大好きな5と6である。何とも元気が出てきそう。今度は身体が前後に動き出す。ピアノのフレーズを追いかけるだけである。快楽。4分50秒と7分10秒過ぎでは、録音されているライブの観客と同様に拍手したくなる。御機嫌。6も大変良い。タイトル「Happening」の通り、ドラマチックなメロディで、一気に世界に引き込まれる。ドラム・ソロがホールに響き、続いて3人が一気に駆け下る姿はドラマである。

Vol. II

1、期待の高まるスタート。諭すようなメロディーが印象的。2はショパンである。ある意味でこれもドラマの回想シーンのようだ。で、1分8秒で快速スタート。ベースの弦の弾ける音がいい。ピアノは音を丁寧に刻む。そしてピアノが炸裂する。椅子から転げ落ちそうである。が、ドラムがシンプルなソロで頭を冷やしてくれる。で、メロディーに戻る。事件は解決。3はどうしたのかと聴いていると、一気に始まる。気を持たせるのである。オリジナルだけれど、聴いたことがあるようなメロディーである。で、落ち着いたかと思うと、やはり激しく進む。11分を超える演奏はジェットコースターである。4は一転、落ち着いてスタンダードを。5はパーカーの曲。最初はベース・ソロを楽しむ。もちろん、聴きどころ満載の三人で、勢い満載の演奏が続く。

 で、パワフルな演奏満載のこの日のライブを堪能したのである。

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