スタンダード・ジャズがびっしり本
小川隆夫さんの力作『スタンダード・ジャズのすべて大事典』(全音楽譜出版社)を読んだ。昨年11月に買って、少しづつ読んだ。
「ベスト850 解説・楽曲データ・推薦盤徹底ガイド」と銘打っている。
なにしろ850曲である。頭から読んでいたので、途中かなり息抜きが必要だった。もともと「事典」なのだから、頭から読むような、そうした「読み方」が間違っているのだろうけれど。
ジャズの書籍で「スタンダード」と「名演」を、取り上げる書籍が多いけれど、えてして網羅性に欠けるか、演奏家用に網羅性がありすぎるかの、どちらかだったと思う。
本書も全音「スタンダード・ジャズのすべて」シリーズの一環で、別にスコアを掲載した『新版 スタンダード・ジャズのすべて』(1、2巻)があり、その解説篇という位置づけ。でも、文章は分かりやすく、ノホホンと聴いているだけのリスナーにぴったり。
スタンダードを生んだ作曲者や演奏家の演奏スタイル、用語の解説もあって、リファレンスとして便利である。「そうだったのか!」である。
何となく聴いていた、分かっていた曲の「素性」がくっきりしてくるが楽しい。推薦盤で持っているのを見つけると、ついつい聴いてしまう。
小川さんの公式ブログによると増刷が決まったようで何より。
小川さんは1950年生まれ。本職は整形外科医。1986年に来日したBlueNoteレーベル創設者、アルフレッド・ライオンの「担当医」だったことでも有名。
『マンハッタン・ジャズ・カタログ』(全音楽譜出版社)など、資料的価値の高い、言い換えれば「マニアック」な本を次々と発表する方だ。
ニューヨークに留学していた時代の経験を、ジャズマン別に構成し直した『愛しのジャズメン』(東京キララ社発行、三一書房発売)も、一気に読んだ。
『となりのウィントン』(NHK出版)と同じ、半分自慢話だけれど、『となりのウィントン』より読みやすく、羨ましく読んだ。

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