2007年8月10日

1970年代以降のジャズ「新定盤」が1000枚

 何といっても1000枚。量は質に転化するのである。そもそも過去の名盤、定盤だとしても、一気に1000枚も紹介することは無いだろう。MOONKSの「JAZZとびっきり新定盤500+500」(だいわ文庫)だ。
 とは言え、お気に入りのアーチストは選ばれているか、で、どのアルバムか、何が書かれているか。楽しみの尽きない本だ。

 口絵のジャケット・カラー写真もまぶしいし、続く本文も圧巻。アルバム1枚に関連作品1枚で1セット。1ページに2セットで、合計1000枚。それぞれに「Swing」、「Melodious」、「Cool」、「Groove」の4項目の星が付く。文章だけで伝わらない、そのアルバムの方向が見える。「あれは、そんなにGrooveだったのか」。
 さらに巻末の索引が便利。索引を作るのは面倒だが、あると本当に役に立つ。

 1950年代、60年代がジャズの「黄金時代」だったことは否定できない。
 一方で、新しい、聴いたことのない、同時代の空気を吸っている人の演奏も聴きたいもの。
 ところが、CD時代になったこともあって、膨大な、それこそ悪い方の「質」に転化しそうなほどの量の新譜が発売される。だいいち、見ただけでは「ジャズ」かどうかも分からないCDもある。
 そんな時の羅針盤は、店頭のポップであり、雑誌、今ならウェブ・サイト、blogでの評判だ。

 MOONKSは、「ジャズ鑑賞集団」と銘打った6人の頭文字を取ったグループで、1985年以降の必聴盤を選んだ『Must 150』で有名になった。「ジャズ批評」の連載や衛星ラジオの番組も担当している。そんなMOONKSが選んだ「新定盤」なのである。

 業界で生活のかかった評論家ではなく、聴いて、自腹で買って、人に伝えたくなって、さらにその聴いた枚数もべらぼうとくれば、その評判はかなり信用できる。
 日ごろ、かなり参考にさせてもらっている。特に「ジャズ批評」の連載は、6人の趣味と好みの違いもあって、毎号、楽しみにしている。その後、CDショップに向かうのは、偶数月下旬の慣例だ。

 実は本書をまだ読み終わっていない。とはいえ、頭からひとつずつ読むような本ではないのかもしれない。何といっても、この30年をめぐる「ジャズ辞書」のようだからだ。
 とりあえず、大好きな山中千尋さんやHarold Mabern、Bob Rockwell、Eric Alexanderなどなど、気になるJoe Farnsworth、Alain Mion、Rob Agerbeekらの何が掲載されているかをつまんで読んでいる。

 これが選ばれたんだ、これを選んだんだ、これを選ぶか、これは何なんだ。

 しかしながら、このところ物入りで財布が寂しい。危険な本である。 

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