2007年10月 6日

漱石展とコンサートを江戸東京博物館で

 一番好きな作家は誰かと言われれば、一も二もなく夏目漱石である。
 6日、東京・両国の江戸東京博物館で「文豪・夏目漱石展」が開催されているので見に行く。関連イベントの「文明開化のクラシック」も聞いてきた。

 岩波書店から出ている全集は新旧で2セット持っている。漱石関連の評論やエッセイもまず見かけると買ってします。ついでに弟子の内田百閒も好きである。どちらも小学生の時からの趣味だ。

 東北大学の創立100周年を記念した催しで、東北大学の図書館が所蔵する「漱石文庫」が中心。空襲を避けるため、漱石の弟子だった小宮豊隆が館長を務めていた東北国帝国大学が受け入れたもの。
 ノートや自筆の書、絵画なども並ぶ。答案もきれいである。

 中でも、イギリス留学時代に購入した洋書、約400冊が圧巻だ。会場の真ん中に、木の立派な書棚に本が並ぶ。
 背の文字を追いながら、もともと親しんでいた漢文学との違いにがく然とし、講義も受けず、本だけを買って、読んで、ノートを取って、そして「発狂セリ」と誤解されるほど打ち込んだその残影が向こうに見えてきそうだ。

 デスマスクも出品されていて、しばらく目を睨んでみる。少々こわい。
 トートバッグやTシャツなど猫をモチーフにしたグッズも色々あって楽しい。付けヒゲや仙台名物の最中屋のお菓子までならんでいる。館内のレストランでは特別メニューで、当時流行った「ライス・カレー」もあるようだ。

 コンサートは、西洋音楽が輸入された明治時代のコンサートをいわば再現したもの。もちろん、楽器や衣装など正確に再現したわけではないけれど、バッハ「ゴールドベルク変奏曲」やベートーヴェンのヴァイオリンソナタ第5番「春」、モーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」、滝廉太郎「荒城の月」など、あまりに有名な曲ばかり。それも全曲ではなく、聞きやすい楽章の美味しいとこ取りである。
 演奏は新日本フィルハーモニー交響楽団のメンバーによる「すみだ弦楽四重奏団」らだ。

 明治時代、敷居の高いクラシック音楽に親しんでもらうため、東京音楽学校の奏楽堂などでも、こういった「つまみ食い」のようなプログラムが組まれていたという。

 演奏だけでなく、展覧会の見どころや、この企画自体が飲み屋で生まれた裏話などのおしゃべりも楽しく、この調子で、大正初年のコンサート、第二次大戦直前コンサート、闇市コンサート、高度経済成長コンサート、安保反対コンサートなども聞いてみたいものだ(嘘)。

 展覧会は11月19日までなので、ぜひ。

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