2008年2月11日

芥川賞を受賞した川上未映子さんを読む

 ミーハーである。「文筆歌手」というネーミングに負けた。2007年下半期、第138回芥川賞を受賞した川上未映子さんのことだ。
 『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』(青土社)と『わたくし率 イン 歯ー、または世界』(講談社)を読んだ。
 違った感受性と表現、視線を楽しむ。心地よい音楽を聴きつつも、どこかで心に引っかかるような印象を与えてくれる作品だ。

 川上さんは、ちょっと前、手に取った「WASEDA bungaku FreePaper」(2007年9月15日、第2期1号)で「川上未映子の対談だぜ」という連載が始まって、若島正さんに奇妙なインビューをしていた。

 受賞作の「乳と卵」は単行本が出たら読もうと思う。流石に「文藝春秋」の今月号を買って読むのは恥ずかしい。電車の中で、掲載号を読んでいる人をよく見かける。

 川上さんは1976年、大阪生まれの文筆歌手。みずからの公式Blog「純粋悲性批判」に、ライブの映像もある。

 『先端で...』は雑誌「ユリイカ」(青土社)に発表された作品と書き下ろしで構成された「詩集(?)」。それぞれ、エッセイでも小説でもないし、公式Blogにも「爆笑詩集」とある。「ユリイカ」自身も「詩と批評」をうたっているし、散文詩なのである。
 『わたくし率...』は、ストーリー(?)もある初小説という位置づけ。前回の137回芥川賞候補作。

 いずれもとても読みにくい。ひらがなと漢字、句読点、大阪弁。どれも僕の身体に馴染まないのか、読みにくく、時間がかかる。初めて古井由吉さんの小説を読んだ時の「感じ」と同じといったら褒めすぎか。
 一方で、時々浮かび上がってくるリアルな描写には、「ハッ」とさせられる。不可思議なストーリーの展開と発想も面白い。
 ライブ映像を見たけれど、自ら行くことは絶対に無いタイプのライブだけれど、そこで歌うに相応しい文章のよう。

 無意味な記号の羅列・詩・小説の三者の間を行ったり来たりで、とても不可思議な印象が残る。ただ、この文体(?)でずっと続けていくのは大変そうだ。

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.kenyama.net/mt-tb.cgi/381

コメントする


画像の中に見える文字を入力してください。