安いことはいいことだ?
Tapas Recordsという「レーベル」がある。ガッツプロダクションが配給し始めた「廉価版CD」だ。
第一弾としてTrio Acousticの『Giant Steps』が発売されている。税込み1200円という破格の値段で新盤。もちろん、買ってきた。
ところが、その第2弾として予定されていたTonu Naissoo Trio『Relaxin' At The Viru』が発売中止になった。
事情は分からないけれど、残念である。Tonu Naissoは澤野工房から出ているアルバムを愛聴しており、ゆったりとした心地よい演奏が気に入っている。
憶測を連ねている「Rifftide : 後藤 誠のJAZZ and other matters...」もあるけれど、実際のところ本当の理由は分からない。
実はとても単純な理由による中止で、近々ちゃんとリリースされることを願っている。
何十年(?)も前に発売された巨匠の旧譜に大手レコード会社が、1000円の値段を付けるのと違って、現在活躍中のアーチストによる新作を1200円で発売し、元を取るのだから大変だと思う。
だからこそ、Tapas Records(ガッツプロダクション)には頑張って欲しいもの。安くて良いものを、である。
さて、市場における価格と、作品を作った人への敬意の多寡を混同すれば、安いCDを歓迎する人は、作った人への敬意が低いことになるわけだが、そんな複雑な混同をする人はいないだろう。
安い価格で商品を提供しようとするのは、商売の基本だし、そこに詐欺や違法行為を絡めないのは当然だ。そうして競争力のある商品を提供し、結果として沢山売れて、利益を得るのが(好むと好まざるとに関わらず、現状の)資本主義。
もちろん、資本主義を打倒するのなら話しは別。他にも、市場によらない価格付け(小麦の政府公定価格とか、タクシー、鉄道などの許認可化価格とか)をCDに導入するのも選択肢の一つであろう。CDの場合、再販売価格維持制度が一部残っているので、完全な「市場価格」とは言えないし。
ところで、作った人への敬意であれば、ファンレターを送るでも、友達に吹聴するでも、過去(将来)の作品を買うでも、(評論家なら)べた褒めするでも、いろんな形があるだろう。
いずれも面倒なので、ついつい「お金で解決」したくなる気持ちも分からなくはない。
ので、支払った金額で敬意を表したい人は、CDを複数枚買うのはどうだろう。食べ物と違って、倍あったからといって食べ切れなくて、捨てることもない。
逆に買わない、という積極的な選択肢もある。売れなければ、売られない。

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