4年振り、第一生命ホールで山中千尋さんライブ
激しい雨も止んだ夜、東京・晴海のトリトンスクエアにある第一生命ホールは、山中千尋ニューヨーク・トリオの熱演に満ちていた。

9月に発売されたアルバム『Bravogue』(Verve)を記念したツアーの東京公演で、これまで大垣、福岡、大阪、黒部を回ってきた。メンバーもアルバムと同じで、楽しみにしていた。
第一生命ホールでのコンサートは2004年12月3日以来、4年ぶり。本人は「古巣に帰ってきたようで、気持ちよく弾けました。(気持ちよくだと)カラオケみたいですが(笑)」と話していた。
オフィスから出る人の流れに逆らって、会場に入る。まずは水割りだ。シーバス・リーガルで600円。一気飲みだ。室内楽に相応しい落ちついた雰囲気の会場である。
メンバーは、ピアノの山中千尋さんと、Vicente Archer(b)、Gene Jackson(ds)。演奏したのは以下の通り。
1、Boolavogue
2、Living Without Friday
3、When You Wish Upon A Star
4、Dois Pra La, Dois Pra Ca
5、Liebesleid
(休憩)
6、RTG
7、Take Five
8、Carillon
9、Quand Biron Voulut Danser
10、Impulsive
(アンコール)
11、Time For Love
12、Yagibushi
定時を5分ほど過ぎて3人が登場。山中さんは薄いえんじ色のスカートだ。綺麗である。
1はリズムとフレーズが咲き乱れるようでうっとり。複雑な音の広がりに耳を傾ければあっという間に終了する。2は一気にゴーンとスタート。聞き慣れた曲だけど、今日の調理法を楽しみにして聴く。パンチパーマが印象的なVicenteのソロに続き、ピアノも熱演である。最初からこんなに飛ばして大丈夫だろうか。ドラムスもお腹にしみる。空間を切り裂くようだ。Gene Jacksonは見た目も恐そうで素敵である。ソロがとても長くパワー溢れる演奏だった。
一転して3は、クールダウンの曲。山中さんは実際に歌いながら鍵盤に向かう。しんみりと思いが込められている。星にどんな願いを込めているのだろうか。ベースも心地よい。4でも訴えかけてくるピアノがいい。ドラムスもコツコツ、ベースもコキコキと響く。ピアノソロも徐々に高揚し盛り上がる。
「アルバムの曲をたくさんやりたいが、ソロが長いと曲数が減ってしまう。悪意は無いです」と素敵なMCである。
5は「愛の悲しみ」。グオングオンと音と空間が広がるようだ。テンポも速い、早い。激しいドラムス・ソロもあって、ご機嫌ラテンサウンドは終了。19時55分。
「10分間休憩」のはずが5分もしないうちに、開演予告のベルが鳴る。あわてて、また一気にウイスキーを流し込む。こういう時、酒飲みは助かる(?)。
20時3分にメンバーが登場。黒部から富山市内への車での移動の話などがあって、6に。ガンガンに飛ばして、腹に響くドラムスで空腹感つのる。
ファーストは写真の撮影があったからか、シンプルな照明だったけれど、後半は赤い照明で、舞台の背景にも模様(?)が浮かび上がる。以前山中さんが出演した、コスモ石油のイベント「Voice of the earth 2004」を思い出す。
7はベース・ソロが聴きもの。バッチリ決まって素敵だ。ピアノのエフェクトも効果的。気持ちの良い素敵な終わり方も新鮮だ。8は、アルバムとアレンジが変わって嬉しい。深くて面白いといった感じ。上に広がっていく飛翔感だ。
9は大好きな曲。久しぶり、おそらく2年ぶりにライブで聴いた。いいなあ。ソロに使われる色々なフレーズ、引用の織物。ニコニコである。10でも、ピアノ・ソロに感激し、激しく終わる。20時48分。
もちろん、アンコール。11から12と一続きだ。11のピアノはエフェクトがかかって、心に響く。12も素敵なかっこよいバージョンで、ガンゴンと進む、演奏中にメンバーに見せる山中さんの笑顔が本当に素敵だ。疾走する八木節が終わって21時5分。
「今日やらなかった曲を明日、TUCで演奏します」とのこと。翌日の東京TUCが楽しみである。
ロビーではサイン会に長蛇の列が出来た。
湿った夜には焼き鳥ではなく、焼肉がぴったりだ。
