2009年3月30日

お手軽、お気軽に現代美術を六本木で

 国立新美術館で開催中の「アーティスト・ファイル2009 - 現代の作家たち」展を見た。ちょうど、夜通しイベントがあった六本木アートナイトの屋外コンテナによる展示もあり、賑やか。
 これは石川直樹さんの作品。
Ishikawa.jpg
 何とかビエンナーレとか、トリエンナーレと違って、9人の作家だけを紹介しているのでお気軽に楽しめる。

 「アーティスト・ファイル」は、今年2回目だが、国立新美術館(東京・六本木)のスタッフが注目する作家を、それぞれの個展のように紹介する展覧会だ。5月6日まで開かれている。残念ながら、アートナイトは3月28、29日だけ。

 気になったのは二人。写真家の石川直樹さん(1977年生まれ)と村井進吾さん(1952年生まれ)だ。

 石川さんは、美術館入口に置かれたコンテナの解説に驚いてしまう。
 極地を撮影した『POLAR』で知られているが、気球で太平洋を横断しようとした仲間が行方不明になり、そのゴンドラが鹿児島県・吐噶喇列島で見つかったという。一旦、太平洋を横断し、戻ってきたらしい。そこにあったカメラとフィルムなどがコンテナに置かれている。まるでフィクションのようだ。タイトルは「Photograph」。汚れて、いたんだカメラから目が離せない。

 村井さんのコンテナも気になった。「黒体と破辺体」と題され、ひな人形のような段々に四角い黒御影石が並ぶ。
Murai.jpg

 美術館内の展示でも二人は異彩を放っている。

 石川さんはフランスや極地の様子をとても静かに、印象的に写している。冷たいはずの氷と雪に沈む街、山にへばりつく家などなど。
 生活感を超えた不思議な生命観が伝わる。模型でジオラマのように見える写真など、コンピューターによらない、バーチャル感がはやりだろうか。

 村井さんの作品も、異様な存在感を醸し出す。天井の高い展示室に四角い黒御影石による作品がならぶ。切り込みや削り込み、水を張られ、石の重さと軽やかさが共存する。しばらく見ていると気が違いそうであはある。

 よくよく考えてみると、入口に置いてあったコンテナが、POP広告のような機能を果たしていたことに気付く。導入として面白い。

 もちろん、六本木アートナイトで、コンテナを発案した日比野克彦さんは、国立新美術館の企画展のイントロを設置したつもりはないだろうが。街中にいくつもコンテナが置かれ、それぞれ楽しそうであった。

 さて、ちょっと怖いけれど、齋藤芽生さん(1973年生まれ)の作品も印象に残る。空想の花、植物など。色使いもある時代の感性を彷彿とさせる。出口で買った四畳半おみくじは「陰吉」で、欲望が「地味なれど掘り出し物かもしれぬ」そうである。

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