2009年6月28日

ルネ・ラリックの工芸品とおにぎり。生活の記憶と記録

 都内の美術館、博物館をまとめて見ると、何だか繋がりがみえてくることあって楽しい。
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 東京・六本木の二つの美術館を見て回り、その足で両国の江戸東京博物館に回った。特定の時代を感じさせる、それらしい物の中に潜む、ちょっとした品に目が留まるのである。

 国立新美術館1階で開催されている「生誕150年 ルネ・ラリック 華やぎのジュエリーから煌きのガラスへ」展(9月7日まで)と同館の2階で開催中の「野村仁 変化する相―時・場・身体」展(7月27日まで)を見た。
 ラリック(1860-1945)は、似たような展覧会がいつもどこかで開かれているように、日本でも人気のあるアール・ヌーボーやアール・デコで知られる工芸作家。その今回は決定版とも言える大展覧会。国内外から約400点が集合している。自動車まであって、どうやって入れたのかと不安になる。

 やはり一番気になったのは、1900年のパリ万国博覧会、1925年のアール・デコ博覧会のころの作品群だ。ガラス、彫刻などなど。
 夢と希望に満ちていた20世紀初頭の匂いにあこがれる。その直後に戦乱と混乱の時代が来たことを我々は知っているだけに尚更だ。

 2階の野村仁の回顧展だ。東京で彼の回顧展は初めてという。関西を拠点に活躍する現代美術の作家で、1945年生まれ。ラリックの没年と一緒である。偶然だろう。
 彼の特徴は「時間」を記録する、感じることを表現している点だ。重力(自重)で、崩壊する段ボールの構築物やモノクロ写真などが印象的。特にアルバムを手に取って閲覧する作品には、何気ない京阪神を中心として風景が刻まれている。
 芸術写真でも、ドキュメンタリー写真でもない「写真(記録=記憶)」がそこにはある。
 後半のソーラーカーとかになるとよく分からない。飛行機の翼を壁にくっつけて展示しているが、どうやって展示したのか、どうして壁からもぎれないのかが不安になる。

 時間と記憶、記録について考えながら、iPodを見つめて、歩いて、サントリー美術館に向かう。
 日本放送協会で日曜夜に放映されている歴史ドラマ「天地人」を記念した「天地人 直江兼続とその時代」展(7月12日まで)を見る。
 直江兼続は、上杉謙信なき後、主君・上杉景虎を支え、豊臣秀吉や徳川家康から高く評価されるなどした、いかにもな戦国武将だ。
 会場には鎧や刀、文書に屏風などが並び、華麗な桃山文化の片鱗を感じさせるなど落ち着いた雰囲気。もちろん、テレビを見ていなくとも楽しめる。ミッドタウンの地下にある食堂やショップの買い物も楽しめる。
 しかし、これだけのドラマが生まれる時代(戦国時代)とは、こわい時代である。米軍や自衛隊の跡地で、全裸になったり、遊べる現代はとりあえずいい時代である。

 両国の江戸東京博物館では、「発掘された日本列島2009」(8月2日まで)を見た。
 そこで発見したのが、上杉景虎が自害した新潟・鮫ケ尾城から出土した「おにぎり」である。ろう城した時の食料とのことで、食べたかっただろうなあ、と思う。世が世なら妻夫木くんが食べるのである。
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 展覧会自体は、日本全国で行われている発掘調査の成果を紹介するもので、空飛ぶ埴輪など見ていてあきない。その時代の暮らしや人物に思いをはせる。

 仏像や泰西名画を見ているだけでは伝わらない「生活の記録」、記憶をたどる一日だった。昭和30年代ははやりだが、その前も楽しそうだ。

 お腹が一杯。美味しいビールが飲みたい季節で、うふふである。

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