2009年7月 4日

ジャズ・メッセンジャーズが聴きたくなる

 音楽や絵画を文字で説明するのは難しい。もちろん、音楽を音で、絵画を絵で説明しろ、と言われても更に困るので、文字でいいけれど。
 そんな中、読んでいて、その音楽を聴きたくなる本は、少なくともいい本だと思う。
 『ハード・バップ大学 アート・ブレーキーとジャズ・メッセンジャーズの天才養成講座』(アラン・ゴールドシャー著、川嶋文丸訳、ブルース・インターアクションズ刊)を読んでいると、つぎつぎとジャズ・メッセンジャーズが聴きたくなって困る。本が先に進まないのだ。

 筆者のアラン・ゴールドシャー(Alan Goldsher)さんは、1967年生まれのジャーナリスト。音楽とスポーツのジャンルを専門にしている。自身でベースも演奏するという。
 本自体は、1955年から、アート・ブレーキーが亡くなる1990年までずっと率いてきたバンド「アート・ブレーキーとジャズ・メッセンジャーズ」の歴代メンバーへのインタビューや関係者の証言をまとめたもの。
 アートの人となり、バンド運営・経営、人間関係など演奏の中身とは直接関係ない話しだが、バンドが長く、それも第一線で活躍し続けた秘訣も見えてくる。

 何といっても、メンバーのリストがすごい。

 ケニー・ドーハム、リー・モーガン、フレディ・ハバード、ウィントン・マルサリス、テレンス・ブランチャード、ハンク・モブレー、ジャッキー・マクリーン、ベニー・ゴルソン、ウェイン・ショーター、ホレス・シルバー、ボビー・ティモンズ、シダー・ウォルトン、キース・ジャレット(!)、マルグリュー・ミラー。きりがない、ここでやめる。ドラマーがアート・ブレーキー一人なのだけは残念だ。

 彼らが揃うだけで、すごい音楽が出来そう。順列組み合わせは無限大。そして、厳しくも優しい、アートのふるまいが面白い。はたいたり、飲んだり、叩いたり。
 時折、このアルバムのこれが、どうこう、と記述がって、ついついiPodで聴いてしまう。こういう時、CDより便利だけれど、やはり読書は先に進まない。
 ジャズを聞き始めた頃、ジャズ・メッセンジャーズのアルバムを買って、そのメンバーのリーダー作を買い集めていた。僕のジャズ聴きの出発点だったバンドで、懐かしいこともある。久しぶりで聞き込んでしまうのが。

 愛読するblog「雨の日にはジャズを聴きながら」のcrissさんは、ハード・バップ大学ではなく、「会社」ではないかと読み解いている。確かに、解雇する時や人材育成へのアドバイスに満ちている。しかし、この本を参考に部下に接する上司は、個人的には近くにいてほしくないなあ。

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コメント

kenyamaさん、御無沙汰してます。

本文で拙ブログを紹介していただき、ありがとうございました。
僕にとってもJMはジャズの出発点でした。

ところで、平岡正明さんが亡くなられましたね。
ジャズ本についても造詣が深いkenyamaさんのことですから、
平岡氏も書籍もだいぶ読まれているんじゃないですか?

ということで、こちらからもTBさせていただきます。

では、また。

crissさま
こんばんは。
コメントをありがとうございます。
JM、いいですよね。
アート・ブレイキーは今年、生誕90年、来年没後20年で、もっとトリビュートされていいと思います。と言っても、僕にできることは、制作順に聴いていくことくらいなのですが。
平岡正明さんが亡くなられたのは驚きました。新刊、復刊と勢いがあったからです。色んな意味で、「ジャズ」らしい人をまた一人失ったような気がします。
平岡さんについて、どう書いていいのか分からないのです。
では、これからもよろしく、お願いいたします。

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