カンディンスキーと青木繁を見る
兵庫と京都で、同じく19世紀後半に生まれたヨーロッパと日本の作家の展覧会を見た。
兵庫県立美術館で、6月26日まで開催中の「カンディンスキーと青騎士」展と、京都国立近代美術館で、7月10日まで開催中の「没後100年 青木繁展」。いずれもテーマと収集に力の入った展覧会である。
カンディンスキー展は、ドイツ・ミュンヘンのレンバッハハウス美術館のコレクションから約60点が出品されていて、カンディンスキーのカラフルで明るい抽象画を満喫した。
一方、青木繁展は期待外れ。ただ、二つの重要文化財「海の幸」と「わだつみのいろこの宮」を一緒に見られただけでよしとしよう。
カンディンスキーらが結成したグループ「青騎士」は、青木氏の没年である1911年に結成された。フランツ・フォン・レンバッハやガブリエーレ・ミュンターらの作品の中で、やはりカンディンスキーの作品がたくさんあって嬉しい。ほぼ半分がカンディンスキーの作品で、具象と抽象の狭間にあって、変遷する画業をじっくり眺めた。
しかし、兵庫県立美術館の建物はどうにかならないのだろうか。駅から歩いて来ると、まず見えてくるのは、裏口のような人造石の建物。海側の大階段のような造形美もなく、展示室への導線ややエレベーターホールも暗かったり、石棺のようだったりして、酷い建築だと思う。誰とは言わないが、この建築家のどこがいいのか?
青木繁展は、28歳で亡くなった夭折の画家。関西では初めての回顧展で、同氏を世に送り出したとされる河北倫明氏が館長を務めたことのある京都国立近代美術館での開催となる。青木氏の作品は、没後仲間たちの尽力でブリヂストンの石橋財団が多く収蔵している。
自画像やデッサン、神話や宗教、印象派風の前衛絵画への取り組みなど多面的な活動を振り返る本格的な回顧展である。しかし、見て、圧倒されたのは「海の幸」と「わだつみのいろこの宮」の2点だけ。
更に言うなら、常設展示コーナーで、森村泰昌の映像作品「海の幸・戦場の頂上の旗」を関連展示として上映しているが、悲しくなるくらいつまらない映像でびっくりした。同じく関連展示として坂本繁二郎の作品が並べられていたが、こっちは楽しく拝見した。
青木繁を青木氏とすると、青騎士と音が同じになるので、一緒に取り上げた。はは。
