2011年9月23日

仙台の街に音楽が溢れ、山中千尋さんの演奏が響く

 20年以上の歴史を誇る「ジャズ・フェスティバル」、定禅寺ストリートジャズフェスティバルが、今年も開かれた。9月10、11日の両日で、11日のドコモ・タイアップステージを聴きに行った。
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 もちろん、お目当ては大好きなピアニスト、山中千尋さんのトリオ。入りきれない来場者が外からも見守るなか、明るいガラス張りの会場は、その熱演に包まれた。

 9月11日は、東日本大震災の3月11日から半年、2001年9月11日のテロから10年の節目。雨模様の仙台は、ジャズ・フェスで大賑わい。

 木立の美しい定禅寺通りを中心に、公演に舞台をしつらえ、ジャズだけでなく。思い思いの演奏が繰り広がられる。出演を希望するバンド数は例年になく多かったという。
 隣の演奏が聞こえるくらいの至近距離で、ハードバップのコンボから、ビッグバンド、中年おじさんロックンロールなどなど、少し歩くだけで多様な音楽を聴くことができた。

 特に、メインステージで、米軍のキャンプ座間からきた軍楽隊の演奏は圧巻だった。音圧、エッジ、アンサンブルとそのサウンドに、思わず涙が出るくらい。いわゆる「トモダチ作戦」で支援活動にあたった在日米軍で、エンターテナーな軍曹が団長だ。在日米軍の問題を思うと複雑な気分だが。

 ドコモ・タイアップステージは、同社の1階に舞台が作られていた室内ステージで、定員は250人で、入りきれない来場者がガラス越しに演奏を見つめる。

 山中千尋トリオは、市原ひかり、Fried Prideと続くステージで「トリ」をつとめるトリオとなる。

 定刻の15時になって、司会の板橋恵子さん(FM仙台)が登場し、山中さんとメンバーを紹介し、山中さんが登場する。肩の出た黒いワンピースで、一段と美しいのだ。

 フェスティバルに参加できたことについて「感謝の気持ちでいっぱい」と。仙台での演奏は初めてという。

 メンバーは、岡田佳大(ds) 江野口美穂(b)で、演奏したのは以下の通り。

1、Sing, Sing, Sing
2、Antonio's Joke
3、When You Wish Upon A Star
4、Rain, Rain And Rain
5、Yagibushi
(アンコール)
6、So Long

 1曲目から、かっ飛ばすのだ。テーマのあと、ベースがシンプルなソロを披露する。江野口さんは、山中さんとアメリカの女性ビッグバンドDIVAで一緒だったことがある。もちろんピアノも激しい低音ソロを披露してくれる。飛ばすのである。2は、「つまらないジョーク」ばかり言っていたルームメイト、アントニオのジョークで、ベースもピアノもソロがご機嫌である。3は復興への思いをこめているのだろうか。アメリカの古い人工衛星が地上に落下するらしいので、それに思いを込めてはいけない。

 4は、新アルバムのオリジナルで、素敵なメロディーが大好きな曲である。いいなあ。雨上がりの仙台の昼にぴったりである。右手の高音が印象的で、すでに激しく深化しているソロだ。5も更に進化し、深みと重みを増した八木節だ。速いし、賑やかだし、素敵なのだ。15時45分。

 司会の板橋さんが登場し、山中さんとおしゃべり、新アルバムのアレンジについてきかれ、「せっぱ詰まって、ギリギリ」でアレンジしているという秘訣を披露。震災後アメリカで、見知らぬ人からも心配されて、「人とのつながり」を意識したという。

 そして、やっぱりアンコール。6が始まる。雑誌「ジャズ批評」でメロディーが評価された曲だ。シンプルだが心に残るメロディーを聴いて、ベースは身体を振ってソロを演奏、ピアノも力強く鍵盤をたたき、訴えかけてくる。16時終了。

 終了後、前庭で行われたサイン会には長蛇の列ができた。雨上がりの仙台の夜は終わらないのだ。

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