クリスマス直前の新庄で、山中千尋さんの熱いライブを
クリスマスの連休になって、文字通り「ホワイト・クリスマス」となった。山形・新庄のジャズ・クラブ「レキシントン新庄」では、大好きなピアニスト、山中千尋さんのライブが、12月23日、開かれた。ほぼ毎年開催され、8年目という。

定員80人の小さなクラブだが、満員で場内は熱気に包まれた。外は、雪と凍結した路面だった。
大雪である。横なぐりの雪である。日本海側を経由して、新庄に向かおうとしたが、天候のため、急行「きたぐに」は運休。早起きして、東海道新幹線、東北・山形新幹線を乗り継いで駆けつけた。美味しい蕎麦と熱燗はいただけた。
信用金庫本店裏にあるレキシントンで、開演前の寒さの中、行列がのびる。定刻の16時30分に開場する。ワインと酎ハイを頂く。ごくごく。
メンバーは、ピアノの山中さんのほか、東保光(b)、岡田佳大(ds)の両氏。演奏したのは以下の通り。
【ファースト】
1、She Did It Again
2、Take Five
3、Rain, Rain And Rain
4、When You Wish Upon A Star
5、Close To You
6、I'm Gonna Go Fishin'
(アンコール)
7、So Long
8、2:30 Rag
【セカンド】
9、Sing Sing Sing
10、Doxy
11、So Tender
12、Can't Take My Eyes Off Of You
13、Liebesleid
(アンコール)
14、Chiristmas Dreams
15、Yagibushi
開演時間定刻の17時、開場が暗くなり、17時3分、3人が登場。山中さんは金色のワンピースである。「東北のヴィレッジ・ヴァンガードにようこそ。寒い中、ありがとうございます」。
1が、ぐっと始まって、ベース・ソロになる。嬉しいピアノ・ソロも聴けて幸先が良い。低音が効いている。2は、クールダウンと言うことだが、ベースに続く、凝った低いピアノ・ソロがいい。3は、しっとりしたイントロから始まって、3人が声を合わす。いつものテーマになって、盛り上がり続けて、更にすごく盛り上がる。
4は一転、しっとりバラード。クリスマスに山中さんは、どんな願いをかけるのだろうか? ベース・ソロが、ばしっと決め、くっきりする。ニューヨークの警察は。駐車禁止の罰金が収入源なので、警察を呼びたいときは駐車禁止するに限る、という秘訣を教えてくれる。新年1月のニューヨークでのライブを告知。5は、お馴染のメロディーで、ベース・ソロがぐきぐき。賑やかな3人組になるのだ。岡田さんがラップでうたい、山中さんが可愛い声でうたう。ふふ。
6では、ドラムスが小気味よく、ベースもうねる。脇のマイクスタンドが倒れるくらいの熱演である。魚は確実に逃げるくらいの力の入りようで、18時9分。
アンコールの冒頭では、「初めてCDがでて、デビューして10周年。ありがとうございます」。7は、子どものころ、母親から、練習しないなら帰ってこなくていい、と言われて、「さようなら」という意味を込めて作った曲。歌いながら、ピアノ・ソロを滔々と。更に、もう1曲ということで、8である。ワクワク、ゴーゴーで18時23分。
入れ替え制なので、一旦外に出る。
セカンドは、19時8分に3人が登場する。「雪景色が綺麗なので、テンションが上がって、ファーストに熱が入りました。新庄の寒さはものすごくて、かみつくような寒さです。クリスマスの曲もやります」。
9は厚みのあるイントロで、ドラムスが印象的だ。ご機嫌である。10は、ソニー・ロリンズの曲である。酒乱の東保さんが、メロディーを熱演する。転がるような豊かなピアノ・ソロで、初めて聞いたけれどニコニコである。でも山中さんは、「もう2度とやりません」。うーん。続く、11も初めて聞く。キース・ジャレットの曲で、「ずっとやりたかった、新しい曲」。12は、速いテンポで盛り上がる。13は、テーマの後のベース・ソロが素晴らしく、訴えかけてくるピアノ・ソロも大きく、激しい。そしてドラムスがガンガンで、唸って叩くソロを披露。最後はピアノがソロできめて、グー。20時11分。
アンコールは、約束のクリスマス・ソング。「私の好きな、クリスマスの曲」で、ペトルチアーニの曲である。調律師の映画である『ピアノマニア』が近日公開されるらしい。明るい、心地よいメロディーがいいし、ベース・ソロにも力が入る。軽快なピアノ・ソロもよい。15には、すぐ突入し、速く攻撃的な八木節である。20時39分。
レキシントン新庄の前の道路は凍結し、冷たい風が頬にあたる。キャビア、フォアグラ、トリフ。世界三大珍味で、夜は終わらないのである。
