2012年1月23日

聖夜と誕生日を祝う山中千尋さんのライブを東京TUCで

 大雪の山形・新庄から一夜明けた2011年12月24日。クリスマス・イブは東京TUCである。昨年に引き続き、年末の「締め」は、山中千尋トリオのクリスマス・ライブなのだ。
TUC20111224.jpg
 山中さんのホーム・グラウンドといっても過言ではない小さなクラブで、3セットを、ばっちり堪能した。そして、メリー・クリスマスで、26日の誕生日を控え、お誕生日おめでとう、でもある。

 開場は15時というのに、何時間も前から行列ができる。階段から1階通路、駐車場、道路へと列は伸びる。年末になって本格的に冷え込みだした東京は、冷たい風が頬に痛い。でも、わくわくして待つ時間はうれしい。さらに、開場しても受付が長引き、開園予定時間を過ぎても行列は途切れない。
 会場に座って、白いワインとエビアンをぐびぐび。飲み過ぎないようにしないと。3セットの長丁場である。

 定刻を30分過ぎて、16時すぎ、会場が暗くなる。満席で熱気で一杯だ。
 3人が登場する。山中さんは、オレンジ色のTシャツにジーンズだ。「年の締めくくり、クリスマス・イブに、TUCで演奏できて嬉しい」とのこと。

 メンバーは、ピアノの山中さんのほか、東保光(b)、岡田佳大(ds)の両氏。演奏したのは以下の通り。

【ファースト】
1、She Did It Again
2、Take Five
3、Hong Kong(?)
4、So Tender
5、Rain, Rain And Rain
6、I'm Gonna Go Fishin'

【セカンド】
7、Sing Sing Sing
8、Doxy
9、Close To You
10、It Was A Beautiful 8 Minutes On My Life
11、Hong Kong(?)
12、Living Without Friday
(アンコール)
13、2:30 Rag
14、So Long

【サード】
15、Giant Steps
16、Antonio's Joke
17、Carillon
18、When You Wish Upon A Star
19、Looking Up
20、Yagibushi
(アンコール)
21、Christmas Dreams
22、Impulsive

 最初の1は、左手のピアノの音が、腹に響く。ベース・ソロも早速、熱演だ。立体的に上下するピアノ・ソロがすごくいい。テンポも速くなり、爆走する。2はベース・ソロを支えるドラムスがいい。情のこもったピアノ・ソロに聞き惚れる。ドラムスの爆音ソロも快感である。
 3は、香港で思いついた曲で、漫才コンビの「ホンコン」にちなんだ曲という。頬骨の出た顔のような曲だ。ガツンと元気の出る、テンポと展開の早い曲である。懐かしい響きと新しい響きが混在するのだ。ラグ風な部分もあって、嬉しい。山中さんは「お蔵入りかな」。4は、キース・ジャレットの曲。「嫌いなヤツだが、曲はいい」。やりたかった曲ということで、優しい気持ちになれるイントロから、トリオが揃って、ゴーである。
 5は、大震災以降の人災への怒りを込めている。不協和音の左手がそれを示す。イントロに込められた思いを感じながら、ワインをいただく。そして、テーマがくっきりと浮かび上がって、ピアノ・ソロが大爆発だ。
 メンバー紹介があって、最後の曲の6に。力強いピアノ・ソロが響き、激しすぎます。まだファーストである。17時13分。

 一部の人が入れ替わって、わさわさするい、トイレに長い行列ができる。

 18時ごろ、開場が暗くなって、5分過ぎ、3人が登場。「今年最後の演奏がTUCで、ありがとう。デビューして10年たって、やっとスタートラインです。これからの10年もよろしくお願いします」。もちろん、ずっと応援します。はい。

 7は、ベニー・グッドマンの有名曲で、ドラムスのソロが響くイントロで、ピアノの低音が心地よい。土曜の公園になって、ピアノ・ソロを楽しむ。8は、ベースをフィーチャーする。ベースがテーマをきめて、ピアノが支え、はじける3人である。ベース・ソロがいい。力作である。9は、心地よいポピュラーなテーマにベース・ソロ。ピアノも軽やかに嬉しく、複雑な音の列が飛ぶ。岡田さんがラップして、山中、東保の両氏もうたう。
 以前、1〜2回弾いたことがあるという10は、しっとりとピアノがメロディーを易しく刻み、哀愁も漂う感じ。ところが、後半、激しく、大きく変化する。「レ」の音が耳に気持ちよい。ファーストと同じく、オリジナルの11は、うきうきだ。ファーストとの違いが楽しい。いじって改良しているのだろうか。

 12は。ベース・ソロに耳を奪われる。心のこもったピアノ・ソロもいい。すごい3人の応酬があって、飛んで跳ねる山中さんは、鍵盤に腕を叩きつけるようだ。ドラムス・ソロもすごい。これまで聴いた中で、最高の「Living Without Friday」であった。

 アンコールの13は、可愛く転がるピアノがいいし、14では、自然に会場から手拍子が出る。19時35分。

 サードとの間では、すこし多めに人が入れ替わる。

 20時32分ごろ、会場が暗くなり、35分過ぎ、3人が登場する。山中さんは、Tシャツから着替えて、タンクトップに。綺麗である。山中さんは、最近、友人から「初音ミク」のDVDを40分、見させられたそうである。前日の新庄の公演では、ベースの東保さんの夜の乱行(ナースクラブや芋煮会の合コン)もあったようで、大変だ。

 15は、丁寧なピアノのテーマで始まる。早速のベース・ソロに、聞き耳。ピアノ・ソロは、複雑にフレーズを折り込み、速いテンポで転がる。つづく16は、「料理をするけど、片づけない。蘊蓄をたれるけど、行動しない。はやくイタリアに帰ったほうがいいい友達」であるアントニオの曲である。ベースが、激しくガツンときめるし、ピアノの左手もいい。

 17は、イントロから期待が高まる。大好きなメロディーで、嬉しくなる。耳をそばだててピアノ・ソロを楽しむ。ご機嫌サウンドだ。山中さんの肩と背中に汗が光る。18は、ゆったりしたバラードということで、クリスマスにぴったりの「星に願いを」。しっとりとテーマを弾いて、じっくりベース・ソロに。ピアノもいい。
 19は、新曲。メロディーが綺麗だ。少し引っかかって、引かれるような新興が素敵である。ベースに続いて、ピアノ・ソロは、激しく打ち進む。20は、最初から前衛的八木節となる。ご機嫌、ダンス・ソングで渾身の大熱演。汗びっしょりの山中さんである。21時53分。

 ニューヨークや香港でのライブや、東京フィルとの公演、夏の新しいアルバムなどの告知があって、アンコールの21がスタートする。可愛いメロディで、クリスマスである。最後の22は、左手の低音が良く、ソロで鍵盤をたたく、たたく。22時20分、終了。

 東京の聖夜は、まだ続くのだ。

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