2008年6月 9日

畳の上で水泳を練習する=音楽本21連発(下)

 3回目でやっと「ジャズ本」6冊に達した。読んで聴きたくなる率は高い。何といっても好きで聴いているわけだし、登場人物も現代人ばかり(バッハの心境など想像するに難い)で、分かりやすい。
 一方、あまりに身近すぎて、篩に掛けられていないため、同じ「ジャズ」でも、まったくよく分からないのも多い。クラブ・ジャズはともかく、「中央線ジャズ」とは初耳だった。

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2008年6月 2日

畳の上で水泳を練習する=音楽本21連発(中)

 音楽を言葉で表現するのは、とっても難しい。言葉を使わないという意味では美術も同じ。でも眼で見ることのできない「音」は、言葉にしていいのか、さえも分からない。
 ただ、音楽について書いてある本を読み、その音楽を聴きたくなったとすれば、その本は最低限の使命を果たしたと思う。そして、さらにその人の音楽をもって聴きたくなったりすれば、万々歳だ。

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2008年5月26日

畳の上で水泳を練習する=音楽本21連発(上)

 「音楽と切り離せない」人生を送っている小泉純一郎さんによると、一般の人は「聴いてよければそれでいいと思っているはずだ」そうなので、かくゆうこの本は何故存在するのかといった初歩的な疑問はさておく。
 芸術、それも音楽や美術といった視聴覚についての「本」は、畳の上で水泳の練習をするような一抹の有用性と大半の無駄が混在している。でも、ほろ酔い(ぐでんぐでんでも)で読む音楽の本が好き。慣れているからか?
 読み終わって積み重なる本から音楽関連を並べてみた。とりあえず21冊。長いので3回にわけて第1回。

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2008年4月 6日

ビーチ・ボーイズの憂鬱

 小説家で音楽ジャーナリストのジム・フジール(Jim Fusili)さんの『ペット・サウンズ(Pet Sounds)』(村上春樹訳、新潮社)を読んだ。また村上春樹さんの翻訳である。それより長編小説(一説によると「ナショナリズム」がテーマだという)を、はやく出してほしいもの。
 若くして大成功しつつも、問題を抱え続けた、The Beach Boys(ビーチ・ボーイズ)のリーダー、Brian Wilson(ブライアン・ウィルソン)の内面をアルバム『Pet Sounds(ペット・サウンズ)』(Capital)でたどる、壮大なディスク・レビュー(?)だ。

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2008年2月11日

芥川賞を受賞した川上未映子さんを読む

 ミーハーである。「文筆歌手」というネーミングに負けた。2007年下半期、第138回芥川賞を受賞した川上未映子さんのことだ。
 『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』(青土社)と『わたくし率 イン 歯ー、または世界』(講談社)を読んだ。
 違った感受性と表現、視線を楽しむ。心地よい音楽を聴きつつも、どこかで心に引っかかるような印象を与えてくれる作品だ。

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2008年2月 3日

ジャズ本、10連発。聴かずに読め?

 ジャズ本を読みながら、ジャズを聴くのが好きである。新書ブームでジャズ関連の本が「続出」するのは続いている。その後も、ジャズ本がたまる。
 読み終わって机の上に山積みになった新書を含んだ10冊。昨年の春ごろからのだと思う。
 持っているor買ってきたCDを聴きながら、記述に突っ込みを入れたり、納得したり、楽しいのである。

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2008年1月 6日

ナチス・ドイツの音楽政策と今

 ナチスの音楽政策をたどる明石政紀さんの『第三帝国と音楽』(水声社、1995)を読んだ。
 美術の分野でも「退廃芸術」として多くの作家、作品が排除された。その音楽版である。
 美術以上に、マーケットというか享受する人の数が多いから美術以上に恐いのである。そして、今のことを考えさせられるのだ。

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2008年1月 5日

英語の勉強、『村上ソングズ』

 相変わらず小説でない村上春樹さんの新刊である。『村上ソングズ』(中央公論新社)だ。
 ジャズやスタンダード、ロックの29曲の歌詞(英語)を村上さんが翻訳した。うち2本はイラストを担当した和田誠さんの訳。イラストも豊富で、手に取ってぱらぱらめくるだけで楽しい本だれど、村上さんの新作長編小説を早く読みたいもの。

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2007年11月19日

論旨には賛成だけれど

 日本で1980年代初頭にブームだった「現代思想」。フーコー、ドゥルーズ、デリダ。ポスト構造主義、ポストモダン、小さな物語、脱構築などなど。
 そこで重要な位置をしめ、今なお重版しつづけているのが浅田彰さんの『構造と力』(1983、勁草書房)である。高校生だった私も読んだ。
 以後四半世紀の思想の流れを追った本上まもるさんの『<ポストモダン>とは何だったのか 1983-2007』(PHP新書)を読んだ。論旨には大賛成だけれど、続いて別名で書かれた論評を読んで唸ってしまった。

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2007年11月18日

犬の話、松浦理英子さんの『犬身』

 怖い話である。猫ではなく、犬のところがミソだろう。一家の秘密を扱うので、「家政婦は見た!」になりがちな展開を、うまいところでコントロールしている。流石である。
 松浦理英子さんの『犬身』(朝日新聞社)は、『裏バージョン』から7年ぶりになる長編小説だ。

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2007年10月20日

村上春樹の回想録

 運動は嫌いである。スポーツなぞ基本的に野蛮だと思っている(きっと)。まして長距離=長時間身体を動かし続けるマラソンなど論外だ。高校のころ、授業で走らされ、その時間は不幸と苦痛以外の何ものでもなかった。
 村上春樹の「メモワール(回想録)」、走ることをめぐるエッセイ集『走ることについて語るときに僕の語ること』(文藝春秋)を読んだ。タイトルはレイモンド・カーヴァーの短編集のタイトル『愛について語るときに我々の語ること』にちなんでいる。

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2007年9月17日

サガンの『悲しみよ こんにちは』と年月

 いつまで暑いのだろうか。厚み10センチを超える本を読み始めたけれど、重い。そんな時、ふとしたきっかけで読んだのがフランソワーズ・サガン(1935-2004)の『悲しみよ こんにちは』(朝吹登水子訳、新潮文庫)である。
 小悪魔のような主人公、17歳のセシルは魅力的。でも、20年前に読んでいたら、それこそ眼の前の現実との違いに、きっと笑ってしまうだけだったろう。

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2007年8月25日

今も昔も変わらないので(?)、CDは安い?

 最近話題のノンフィクション作品を3冊続けて読んだ。いろいろ考えさせられる内容で、うーん、と唸ってしまう。
 変わった、新時代、変化、改革などなど。ずっと同じことが言われつづけている。以前であれば、一回転する時間が比較的長かったから、気付く前に人生は終わったのかもしれない。ところが回転が早くなり、何度も同じ場面を見ていると、諦念と虚無感に襲われるのだ。

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2007年8月10日

1970年代以降のジャズ「新定盤」が1000枚

 何といっても1000枚。量は質に転化するのである。そもそも過去の名盤、定盤だとしても、一気に1000枚も紹介することは無いだろう。MOONKSの「JAZZとびっきり新定盤500+500」(だいわ文庫)だ。
 とは言え、お気に入りのアーチストは選ばれているか、で、どのアルバムか、何が書かれているか。楽しみの尽きない本だ。

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2007年7月28日

音楽を聴く、当てずっぽだ

 『相倉久人の70年代ロック&ポップス教養講座』(音楽出版社)を読んだ。
 当時も今もほとんど「ロック」を聴かないので、個々の楽曲、アーチストについてはまったく分からない。ただ「音楽」が単に「音楽」としてではなく、「商品」、「市場」、「ヒット」といった家電製品や自動車と同じ平面にある「もの」になった最初の時代を切り取った風景が立ち上がってくる。そこが面白い。

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